西鉄「313形」と「旅人」を撮る
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大正13年4月に福岡−久留米間が開通。翌5月に貝塚線の前身「博多湾鉄道汽船」の新博多−和白間が開通し営業を開始した。それから丁度90年。西鉄では90周年記念事業として、太宰府観光列車「旅人」(大牟田線)の新設と、旧塗装の313形(貝塚線)を復活させた。

313形のデビューは昭和27年。当初は大牟田線を走っていたが、昭和52年から貝塚線に転籍している。昭和27年から実に62年間走り続けていることになる。走行距離は通算約620万キロだという。現在残っている313形は、旧塗装を復活させた2両1編成のみである。この車両も来年1月24日には引退する。そこで西鉄は、90周年の節目の年に、昔懐かしいベージュとマルーンのツートンカラーで運行終了まで走らせる。
貝塚線を撮影するなら、やはり多々良川橋梁である。ここはJR鹿児島本線と西鉄貝塚線、貨物専用の博多臨港線が撮影できる。千早駅側の川岸は、公園として整備されていて、撮影には絶好の場所になっている。貝塚−新宮間は片道約25分なので、往復1時間待てば、必ず帰ってくる。今回は313形最後の姿ということもあり、千早駅側の川岸からと、貝塚駅側の川岸からの両方撮影した。我ながらいいショットだと思う。
テレビ番組「鉄道伝説」で、313形を取り上げていた。それによると、日本で「モノコック構造」を鉄道に導入した初めての車両だという。モノコック構造は、車体の強度を保ちつつ、軽量化が図れる。とは言うものの、前例がない車体のため、理論通りに実現できるのか不安があったようだ。しかし、技術者の情熱と、それを導入した西鉄の英断によって、いまや常識となっている。

太宰府をイメージしたラッピング観光列車「旅人(たびと)」は、3月22日から運行を開始している。外装は全体が淡いピンク色で、各車両には太宰府の観光名所が描かれている。内装も6両の車両別に、「梅文様」や「波兎文様」など、開運をテーマにした模様が施されているので、楽しみながら全車両を歩いてみるのもよさそうだ。
車両は8000形が使われている。開業80周年に導入したのに因んで8000形と命名されたという。西鉄としては当時、国鉄分割民営化などを視野に、競争力強化に向けての投入だった。何かと節目に活躍する車両である。写真は天神駅で撮ったのだが、天神駅で撮影できるのは朝9時46分発の一便だけである。後は大宰府−二日市間を往復している。
この「旅人」というのは、万葉集に登場する大伴旅人からネーミングされている。名付け親は、太宰府天満宮の宮司さんである。大伴旅人は、太宰府の長官だった時、九州の主な国主を呼んで宴を開いた。次の歌は、旅人が宴の主催者として詠んだ歌である。梅の花が散る様子を、天から雪が流れてくるかのようだと詠んでいる。
 『我が園に 梅の花散る ひさかたの 天(あめ)より雪の 流れ来るかも』


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